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2006年9月26日 (火)

コロック&観光雑感

予定通り日曜の朝早く帰って来ました。まだ微妙に時差ぼけが残ってますが、帰って来てすぐにやること、というか飛行機の中でやり終えなかった別件と滞在許可証の更新手続き、2006ー2007年度の大学の再登録手続きがあったため更新遅れました。

モントリオールでの発表は無事終えました。予想通りフランス語での発表は拙論のみ。しかも原稿が長過ぎて全部読めず。しかし幸いにも内容に関心を持ってくれた他の発表者の方々がいたので、もう一度推敲したあとテクストとして送る約束を幾つかしました。ニュースクール(バンド系の文脈だとNYハードコアの一つの流派ですが、正式名称New School for Social Research、アレントも教えていた大学)の院生の発表が僕の関心と被っていたので頑張って英語で長々とコメント。丸二日間完全に英語しか喋らざるを得なかったおかげで、大分英語でアカデミックな議論をする感覚に慣れました。

驚いたのは、法学部主催のレヴィナスと法というコロックだけあって弁護士がたくさんきていたこと。そのうちの一人と話した所、弁護士の間でもレヴィナス(のみならずいわゆる現代思想)を現場の問題に応用しようという関心が広く共有されているとのこと。別の弁護士のキーノートスピーチでは、「デリダを受容してから我々の法に対する懐疑心は強まった」とまで。ちなみにこれは「レヴィナスにおけるアナーキーとしての法」というサイモン・クリチリーの講演の後、それに対する返答。

日本では人文系学問全般が一種の「社会的効用」をここ数年で急速に要求され、ディシプリンのぎこちない再編がよく見受けられるが、このコロックは人文系学問と実践領域を効果的に結びつけることに一応成功している好例だと思った。さすが10年以上も前に、近代的な大学の枠組みが崩壊した後の大学のあり方を問う名著、「廃墟の中の大学」が出版された国だけある。フランスではこの点、国家がしっかりと大学組織や学問を保護しているので、時に悪い意味で「安心して」伝統的な人文学研究ができる、とりわけソルボンヌ。向かいの建物にフーコーとかいた一方で。僕のやっている研究はどちらかといえば伝統的なアプローチ。何でも新しいことをすればよい訳ではないけれど、自分の活動の意義を常に他人から問われるのは、それ自身の質の向上にとって常に必要な経験だと思います。ただしそれを問うのがゴリゴリのネオリベだと話は複雑になりますが。

参加者はやはり地元マギル、モントリオールが多く、ついでトロント等カナダの他の都市、アメリカ。オーストラリアからの参加者も結構いた。フランスからは僕の他にパリ10の院生(でもオーストラリア出身)が一人。分科会の発表は多分院生の方が多かったとおもう。院生にこうした国際的な議論の場をちゃんと与えるというあたり、日本の人文系研究科にも見習って欲しい。

ところでこのコロックに限らず、国際コロックでは院生の発表はそれ程珍しくない。日本では理系を除き文系の院生が海外で発表するなんて希で大変なことのように思えるが、こちらでは案外そうでもないし、実際それ程敷居が高い訳でもない。情報収集さえしていれば割と機会は豊富にあるので、日本(のみならずアジアで)西洋のことを勉強している学生がもっと海外で発表するようになってほしい。ただ西洋言語を使用する場合、語学的なハンデが多分アジア系の学生のほうが多いとは思うけど。

ホテルではイギリスの院生とブルガリア出身でニュースクールPh.D、現在NYの大学講師と相部屋。後者とはコロックの次の日モントリオールを観光しました。美術館が無料なのに驚いていたら、北米では割と珍しくないそう。ちなみにこの方、9.11の当日地下鉄に乗っていて、地下鉄が止まったので外に出たら例の現場を目撃したそう。始めて目撃者に直接遭ってちょっと感動。

モントリオールは旧市街 、市の中心にある丘Mont Royal、美術館(musée des beaux artsと現代美術館)、などとあと教会をたくさん(Basilique Notre-Dameは必見、但し有料)見学。こちらの教会は席が二段になってるのがどうも一般的らしい。フランスでは殆ど見たことなかったけど。地元名物のプーチン(ポテトフライにチーズとグレービーソースがぶっかけてある)を食し、七月にリヨンでケベック人にその存在聞いて以来やっと体験できました。たしかに聞いていたとおりややジャンキーだけど、スタ丼みたいに一ヶ月に一度食べたくなりそうな気がする。

モントリオールの後は北に250キロ程のケベック市で観光。ちなみに行き帰りは一般ドライバーの車にお金をはらって相乗りするallo stopというサービスを利用。これだとバスの半額以下で行けます。電車だともっと高い。ケベック市では一日街歩き、一日は自転車を借りてMontmorencyの滝、オルレアン島(サンロラン川の巨大な中州)までサイクリング。往復30キロぐらいだったんですが、帰りが向かい風で異様に疲れました。殆ど東京の真冬並みの寒さでしたが、イメージ通りの「ケベックの自然」に触れられて大満足。ちょっと長野っぽかったけどね。リンゴ狩り農園がたくさんあるところとか。いかにもカナダというところでは、メープルシロップ畑(林?)で見学、味見もしました。アメリカの中高年団体客にまぎれつつ。

という感じで充実した一週間でございました。カナダ、いつか又行きたいです。食事もかなり予想外によかったので。

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2006年9月15日 (金)

モントリオール

エクスポズという野球チームが始めてこの街の名前を知ったきっかけだと思いますが、これからいってきます。

現地では昨日モントリオール大で「ゴシック愛好家」(France2による)の「人類への憎悪」(haine contre humanité、同)を動機とした無差別発砲事件があったばかり。ゴッシックメタルとか聞いてたのかなあ。昔スレイヤー(だったっけ?)のファンが起こした殺人事件に似てるのかも。

発表をするのはマギル大の方ですが、物騒には変わりない。カナダは安全だと思ってたんだけど。

アメリカ経由ということもあり機内には殆どなにも持ち込めない模様。おむつはOK(笑)(事実)。まだ発表原稿完成せず(!)。明日夕方のレセプションまで空いてるのでそれまでに完成させなければ。。。レオ・シュトラウスを取り上げようと思ったが、結局彼のマイモニデス理解に関しては特にレヴィナスと対照を成すのかどうか良く解らなかったので結局取りやめ。急遽何冊か買ったんだけど、またいつかのネタとして取っておくことにした。

コンフェランス後、アメリカにも入ろうかと思いましたが、移動時間で結構時間を食うこともあり、ケベック近辺を少し観光することにしました。昨日の夕方ガイドブックを買ったのでまだどこに行くかは未定。

24日の早朝パリに戻ります。(一昨日ぐらいまで22日だと思ってた。)

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