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2008年12月10日 (水)

carnet de la guerre

教授と久々の面接。

先日博論の第一章を渡しておいた。一時間くらいの面接。
12:30の待ち合わせ時間に行ったら面接室のドアの前で待っていて、

「ムッシュー、パリの初雪と一緒に来ましたね!」(丁度外では雪が降っていた)
「ええ、田舎の山育ちですから!」

と意味不明な掛け合い。

丁度第一章で扱っている時代が戦前で、哲学者の戦時中手記の事が話題になった。

次の章ではルイ・ラヴェル(メルロ・ポンティの前にコレージュドフランスで
教えていた哲学者)を扱う予定なのだが、教授によると第一次大戦中のラヴェル
の戦争手記には戦争の記述は殆ど見当たらず、神やら存在やら形而上学的なこと
ばかり、完全に自分の世界にいたらしい。やっぱりなーという感も少しする。
今度読んでみよう。

余談でテイヤールド・シャルダンの戦時中書簡も話題に。最近バイト先の
プロダクションからDVDを借りて見たばかりだったのでタイムリーだった。
気分が運命を呼ぶみたいな話しをした。

明日から弟のお招きでリバプール。一応、第一章がかけたので少し気分転換。
木曜の夜には帰ります。

ゴリゴリのテクスト読解だった第一章の訂正を先にしないとならないが、
気分を換えてより歴史的な記述の多い第二章を早く書きたい。年内に終わればなー。


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2008年12月 3日 (水)

dialogue philosophique

dialogue philosophiqueが無事終了。

Maison amérique latineはシテにあるのかと思ってたら、Rue de Bacの高級な店がならぶ通りの立派なお屋敷だった。でも中ではカフェは1ユーロ。

ハイデガーとガダマーについての発表だったが、ガダマーについてはあまり勉強してないので学ぶ事が多かった。レポンダンとしてコメントを最初に求められる。10分ほどの予定が20分くらい話してしまった。「ハイデガーと〜」、みたいな研究をしていて色々考えることがあるのでそんなことも含めて纏めていたら長くなってしまった。

「ハイデガーと〜」研究で「ハイデガーとの対話」という場合、どのような質の対話があるのか、方法論的な問いについて、まず10分ほど話したが、この「研究会」(というのか?)のタイトル自体が「哲学的対話」なので、また、哲学それ自体が対話だと思っているので、決して無視できない問題を提起したつもり。けど、やっぱ長過ぎたな。反省。

その後カフェでお茶(ビール)。顧問を務めるパリ8の先生と隣になったのでたくさん話した。こちらに来てすぐに友達になったCYの、以前のDEA指導教官であった事が判明。業界は狭い、けどなかなかの偶然。バディウのランス時代という貴重な昔話が聞けた。それとこの先生はとても面倒見がよい。パリ4との指導環境の違いを(まあ人にもよるが)改めて認識。

帰りは五人程残り、レバノン料理屋で軽食して帰宅。自分以外皆ラテンアメリカスペイン語圏出身。博論が終わったらスペイン語やろうかな。お茶の時も軽食もずっと喋っていた。一週間分喋った気がする。

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2008年12月 1日 (月)

近況10本

随分更新してないので近況をお知らせします。

近況


博論は、無事口頭試問を終えて博士になりました。今はフランスの大学で博論をとるべく、この前出した博論でやった研究の続き(簡単に言うと)を仏語の博論として書いてます。


留学する時に持って行ったカメラがこわれた。随分色んな所に連れ添ったカメラだったので、自分の中の一つの時代が終わった気がした。

3
夏は公園でピクニックを何度もした。旅行はリールとコルマール。リールはひたすらビール。コルマールでは、マリオンの本の表紙(一部のみ)になっている原画を初めて見た。キリストが白過ぎ。ほぼ美白。

4
フランス人の友人に誘われてベースとしてバンドに加入。旧ボーカルがやめてベースがボーカルになり、べースが足りなくなった。しかし新ボーカルがけがをして何ヶ月も休んでいる。明日のスタジオで復活するらしい。練習は週一回。最初は週一は大変だったが、最近は慣れて来た。研究の合間の息抜きにはとてもよい。やっぱり音楽がないと。

http://www.lesfrancstireurs.fr/
http://profile.myspace.com/index.cfm?fuseaction=user.viewprofile&friendid=199309930


通訳の仕事でシャトーダンに行った。実は留学してすぐトゥールにホームステイしていた時に週末の「遠足」で行っていて(4年前)、シャトーダンの城を見たら一気に記憶が甦った。児童福祉関連施設の視察。用語や制度、ケアに関する事柄をたくさん勉強させてもらった。日本でも同様の施設を建設中。ご成功をお祈りします。

6
ヘブライ語の勉強会を始めた。もう少しで教科書が半分おわる。朝の勉強会は気持ちが良い。勉強会自体がかなり久々。こんど忘年会。つまみはファラフェル?ヘブライ語作文は「ヘー作」と略している。


あるドキュメンタリー製作会社で来年放映予定の戦争関連番組の製作をたまに手伝っている。主に日本語の仏語への翻訳字幕。先週は初めて某国営放送の編集室に入った。蜂の巣のようにワンフロアにたくさんの同じような編集室があるので迷う。社食はなかなか旨い。来週も行く予定。もっと定期的にあるといいんだけど。でも紹介してくれたMに感謝。

8
パリ郊外の高校の哲学の授業とパリの大学の日本語授業を見学。
素でノートをとってしまった。哲学の方はこちらのレポートを。Nさんありがとうございました。

http://utcp.c.u-tokyo.ac.jp/blog/2008/11/post-150/

9
来週火曜日に以下の哲学関連講演にレポンダン(質問して議論する役)として参加。講演者が友人なので頼まれた。がんばれアンドレス。残り二日。

http://groups.google.com/group/infos-dialoguesphilosophiques?hl=hy&lnk=gschgou

10
いまのところ来年夏前には完全帰国することになりそう。もうすぐ滞在が終わる、と思うと、パリの見え方が突然変わった。なので日曜はできるだけ遊ぶことにしている。今日はアリーグル市場近くの庶民的ワインバー(かなり有名らしい)で牡蠣をたらふく食べた。閉店(16h)頃に話した近所にすむオリヴィエ(51)によると「昔は庶民的なバーが多かったが、オペラバスティーユが出来てからボボ(ブルジョアのこと)が増えて高くなった」とか。でもこの店は安かった。一番安いワインがグラス(20ml)1,5ユーロ。Kさんお誘いありがとうございました。

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